カイコの交配アルゴリズムを考えてみる

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先日、養蚕をしている京都の織元にお話を伺いに出張する機会がありました。
そこで、多岐にわたってカイコの話を聞いたり、カイコを頂いたり(美味かった)したのですが、その中でカイコの交配に関する話がありました。

メンバーでカイコの飼育をおこないつつ、次世代はどうしようか… 単純計算だと数がすごいことに… 指数関数的増殖… などなど考えていたのですが、単純に交配させても近親交配となり、世代を重ねるごとに上手く成育しなかったり、病気になりやすくなったりするようで、そう単純ではないのか… と早々に夢が散りました。

ここで諦めるわけにはいかないので、なんとか交配アルゴリズムを考えて、成育不良を回避する方法を探ってみることに…

確か、構造主義(昔、入門書を読んだくらいですが、、、汗)のエピソードに近親婚の話があったような、と思い当たり、ヒントになりそうなので内容を調べてみました。

以下のブログがとてもわかりやすく、参考にさせてもらいました。
レヴィ・ストロースの「親族の基本構造」における群構造の理解
クラインの四元群と親族の構造

読んだ感じ、やってみる価値はあるような…
カイコの近親交配に対して有効かはわからないのですが、上記サイトにて紹介されているアルゴリズムをカイコの交配の為にトレースしてみました。以下、アルゴリズムを書きます。
(浅学で間違っているかもしれません。文責は筆者です。)


準備. グループを4つ、作る

4組のつがいを作って、それぞれの卵を A, B, C, D の4つにわけます。

1. 交配は A-B / C-D の間でのみ行う

交配の組み合わせは全部で M1~M4 の4種類のみ。A-B間 / C-D間 のみ。

交配タイプ
M1AB
M2BA
M3CD
M4DC

2. 子供世代をA~Dに振り分ける

交配後の子供世代は、以下の表に従って振り分けます。

交配タイプ息子
M1ABDD
M2BACC
M3CDBB
M4DCAA

次世代以降…

その後は、この規則に乗っ取って交配と振り分けを繰り返します。



上記のように交配していくと、「交叉いとこ婚」が世代を降っても繰り返される仕組みとなっています。

この方法がカイコの交配にどれくらい有効かはわからないのですが、とりあえず実践してみることにしましょう。

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